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理事長あいさつ

はじめに

 2010年9月4日、美唄青年会議所が主催したイベント「世界一長いやきとり挑戦(セカチョウ)」が美唄市内で開催された。ソウルフードでもある美唄焼き鳥と日本一長い直線道路である国道12合線という「美唄ならでは」の二つの魅力を掛け合わせ、一本の串で「世界一長いやきとり」を作り出すという前人未到の「まちおこし」に挑戦し、24.83mという世界記録を更新した。このイベントにボランティアで参加した私は、美唄青年会議所のメンバーが市内の各団体との連携を強化させながら昼夜問わずイベントの成功に励んでいる姿を目の当たりにし、そこに美唄の明るい未来への希望を見出した。
 私は美唄市役所で「まちづくり」を生業としているものの、飽食してからの10年間、「美唄の活性化」への情熱と「自分は本当に地域のために役立つ仕事をしているのだろうか」という不安が交錯しうっぷんとした日々を過ごしてきた。明るい豊かな社会の実現のために、地域に密着したボランタリー背活動を展開する青年会議所の運動に心から感銘を受け、青春の情熱をその運動に存分に傾けようと誓い、2011年に入会した。一歩進むたびに挫折を経験し、その都度OB諸兄や同志に助けていただいて現在に至るが、私が歩んできた五年間の美唄青年会議所の運動の日々は、私を成長させてくれたメンバーの友情に対する感謝の日々そのものである。
 このたび、55代理事長という退任を担わせていただくにあたっては、同志会員からいただいた友情を胸に、明るい豊かな美唄のまちづくりの実現に向けて、ともに全身を続けていくことを決意する。

明るい豊かな社会の実現に資する人材の育成

 2016年3月に美唄市が策定した「美唄市人口ビジョン」によると、これまでの人口動態から20年後には美唄の人口は1万人減少すると予測され、生産年齢人口の減少に伴う産業構造の変化、若年層と20~39歳女性人口の減少に伴う子ども現象、老齢人口の増加に伴う医療負担の増加といった課題点が挙げられる。このため、美唄市では①基幹産業である農業の担い手の確保や企業誘致の実現による「新たな雇用の創出」、②道道美唄富良野線の開通を見据えた観光交流関連の情報発信や特産品等のPR、外国人観光客の取り込みを視野に入れたサイクルツーリズムの推進などによる「交流人口の増加」、③子どもの出産や子育ての希望をかなえる「子育て支援」、④高齢化や少子化に対応し、お年寄りや小さな子供、障がい者が安全、安心して暮らせる「コンパクトシティの取り組み」について具体的な施策を展開している。

 世界的な名著として知られているサミュエル・スマイルズ氏の「自助論」によると、「政治とは、国民の考えや行動の反映にすぎない。どんなに高い理想を掲げても、国民がそれについていけなければ、政治は国民のレベルまで引き下げられる」とのことであり、これを美唄に置き換えてみると、「美唄市政とは、美唄市民の考えや行動にすぎない。どんなに高い理想を掲げても、市民がそれについていけなければ、市政は市民のレベルまで引き下げられる」ということになり、つまり、われわれJAYCEEとしても人口減少問題をはじめとした諸々の課題を問題意識として捉え、真剣に考え行動しなければ、たとえ行政が前述のような施策を展開しようとも、それが必ずしも効果的な市政には結びつかないということを意味している。
 そこで今年度は、人材育成により一層の重きを置くおととし、JCIプログラムの実践的手法を導入することでメンバーが備えるべき「リーダーシップ」を習得し、英知と勇気と情熱をもって社会開発(CD)・人間力開発(HD)に挑んでいくことで会員の資質向上を実現させる。かつて第一次南極越冬隊の隊長として活躍した西堀栄三郎氏は、仲間たちと1年間を共に過ごすことに当たり、各隊員の個性(特に欠点)を気にしていては極限状況でチームをまとめていくことはできないと判断し、その欠点も個性として認めることを自らんい徹底したといわれている。欠点を長所になりえる個性だと判断することで、メンバーがより一層協力できる体制づくりにつなげたのである。さて、JCの三信条として「奉仕・修練・友情」が掲げられているが、私はこの三信条を「会員が各々の個性を尊重し合うことで確固たる友情が芽生え、その友情が屋台骨となってこそ、立ちはだかる困難を修練として捉えて乗り越え、そして活力みなぎるボランタリー活動へと昇華していくもの」であると解釈している。

 大リーグで活躍しているイチロー選手は、渡米した当初は「ホームランが打てない選手」として、その弱みをメディアから痛烈に指摘されるも、現在は「大リーグ史上トップクラスの一番バッター」として評価されている。メンバー個人の弱みをも強みとして生かすことが出来るよう、人材の育成にエネルギーを注ぐことで、今年度の目的達成に邁進する。
 また、この人材育成については、会員の資質向上のみならず、今年で30回目を迎えるジュニア・アクト・クラブ(JAC)についても同様であり、「協力する心・頑張る心・創造する心・規律の心・感謝する心」という「5つの心」をとおして、美唄の未来を担う子供たちのリーダーシップ育成事業を展開する。教育再生が叫ばれる昨今、かつて日本にとって伝統的であった地縁的、血縁的な社会基盤は掘り崩され、家庭にあっては”断絶”、社会にあっては”連帯感”の気迫が顕在化し、そうした中で子供たちは明確な目標を持たないまま成長していく現状は多く見受けられるが、この子供たちは我々以上に確実に未来へ生き延びる世代であり、子供たちが美唄の未来に夢をもって成長していくためにも、我々の先輩処刑が培ってきたJAC事業の実績に大いなる信頼を持ち、人材育成を行う。

若者世代に選ばれ続ける美唄青年会議所であるために

 近い将来、多くのメンバーが卒業する実情を踏まえ、メンバー全員が会員拡大を緊急の特命課題と認識する必要があり、2017年度においては積極的な会員拡大運動が求められる。まだ青年会議所に入会していない若者世代が、ボランタリー精神をもって本会議所に入会するという行為は、すなわち、その個人が自ら住んでいる地域に対して「明るい豊かな社会」づくりの主体性を持ち始めたということに他ならない。本会議所に未入会の若者たちが、どうすればまちの現状や将来を自分事として捉え、我々と一緒に地域の問題解決に向けて活動していけるようになるのか。単に人数集めというような目先の損得に囚われることなく、若者世代の自発的な好奇心の増幅を促す運動を我々が展開していくという自覚とプライドも忘れてはならない。

むすびに

 1962年に創立した美唄青年会議所は2017年度に55周年を迎えるが、「不連続の連続」の中で地域に密着したボランタリー活動を通して、確固不抜の価値意識を連綿と積み重ねてきた団体である。今後、美唄は人口減少にともなう社会構造の変化により。ますます混迷のあらしが吹き荒れる懸念が持たれているが、だからこそ、この誇るべき歴史を有する美唄青年会議所の存在がより一層重要な位置を占めるものと考えられる。過去54年にわたって先輩諸兄によって培われてきた英知と勇気と情熱が、我々の貴重な財産である、これらをしっかりと認識したうえで、美唄の明るい豊かな未来の実現に挑む。

美唄青年会議所 第55代理事長 佐藤政直

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